推薦入試とセンターとやっぱり怒れる母。
2020年 02月 15日
【ここまでのお話】
「自宅から私立大学に通うのと一人暮らしして地方国公立大学に通うのとでは費用的にほぼ差はありません」
8月→数学の得点率3%という驚愕の模試結果を懇談で突きつけられ、担任に
「全国どこか探せば行ける大学はあるかもしれませんが」
と投げやりに言われる。
10月→勉強している、と言いながら定期的にラノベを買っている事がバレる。
そんなこんなで11月の公募制推薦入試の時期を迎えた。
難易度はそれほどでもないが最近評価を上げているA大学、中堅校のB大学を受験。A大学はともかくB大学は無理かもしれない、と思った。塾からは世間で言う所の所謂Fラン大学もいくつか勧められていたが正直大学と名がつけばどこでもいいとか思ってはいない。親子ともに『合格したら行ってもいいと思える』という観点で受験したのがこの2つであった。
結果的にはどちらも合格。英語と数学のみで受験できるため英語が得意というのが有利に働いた。コレで浪人も回避され、あとはセンター試験と私立大学一般入試、国公立大二次試験だ。そう、まずはセンター試験。センター試験。
………国公立受験の第一関門、センター試験である。
だがしかし!
とりあえず今までの模試では点が取れない。本人の話では調子が良くて7割、通常は6割取れるかどうか、だという。正月も勿論返上で頑張った、筈なのだ。もしもセンターでそれなりに得点出来た時の事を考え、私学の一般入試出願時にセンターのみで判断してくれる方式も一つだけ組み込む。それなりに準備もした、いざセンター試験!
2日間の試験の後、自己採点をした結果をセンターリサーチというやつで判定してもらいそれによって担任と面談して志望校が決定する流れとなるそうだ、知らんけど。
自己採点の詳細な結果は教えてはもらえなかった。が、想像以上にひどい結果であったらしい。軽く落ち込みを見せるものの落ち込むより前に国立前期試験に向けて勉強するしかない。
そしてセンターからおよそ1週間後、判定結果が出たとのことで担任と二者面談を行った。直後、明らかにおかしなメールが送られてくる。
だいたいの事情は飲み込めた。志望校に到底届くような成績ではないから、と地方の国公立を勧められたのだろう。
夕方本人に直接事情を聞けば案の定志望校は「絶対無理」、某地方公立大学ならなんとか行けるのではないか、と言われたそうである。
はい、ここでおさらい。
「全国どこか探せば行ける大学はあるかも」
夏の懇談で担任は言い放った。
それに対し母は
「全国から行ける大学を探してまで行かせる気はない。学費を出す価値のある大学に行けないのなら就職か自衛隊にでも入れる!」
と高らかに宣言した。
大学教育のレベルに達していない教育(と呼んでいいのか)を行う所謂Fランと呼ばれる大学が一定数存在する。大学卒業資格を得たいだけなら自由にすればいい。ただ私は『大学と名のつく所を出てくれたら』などと微塵も思ってない。学費を出す値打ちのない大学には行かせない。そういう親の意思を表明した(つもりだった)。勿論本人もどこでもいい、などと思ってはいない。
更にもうひとつ。
高校の方は一応『国公立進学コース』所属であるためか基本国公立を推したい。そのためか昨年は某地方国立大学から先生を招いて講演会を行った。
地方国立大の先生はそう仰った。
バイトの収入、親の仕送り、国公立大の学費、様々なデータを総合的に見ると確かに同じくらい。データ上はね。
この話にずっと違和感があった。
地方でもこっちと同じようにバイトは見つかるのか?そもそも理系はバイトする時間あるのか?食費だってうちみたいなよく食べる子と少食の子では随分違う。楽観的なデータばかりを見せられて「あら、地方もいいじゃない♩」なんて呑気に思うほどこっちも素直じゃない。
地元に戻って就職にしても活動するのに宿泊費がいらない(交通費いるやんけ!)とか、学生一人当たりの教員数が多い(教員の質、大丈夫?)とか、とにかく地方でもなんの問題も心配もいらないアピールが過剰。いやいや、そんなわけないやんけ!
担任と面談後のお兄さんはとにかく落ち込んでいた。
こっちで既に大学を押さえている状態で全く考慮になかった地方を勧められた事、それに伴う一人暮らしを思うと『京都から出たくない』を公言する彼に心理的ダメージを与えるのは十分すぎる。
第一志望は相当難しい。「行きたいならクラスで10番以内に入れ」と当初から言われていたのに10番どころかクラスのビリ争い筆頭だったのだ。正直無理ゲーだというのは本人百も承知の上で、それでも第一志望を貫きたいしダメなら推薦で押さえている大学に行く気持ちでいる。
…ていうか。
その為に推薦入試を受けたんじゃなかったのか?
わざわざ推薦入試を受けて入学金払い込んで、単なる安心感を得る為だけの事だったのか?だったら入学金返せやコラ💢
直近の保護者説明会では
「センターリサーチでAかB判定をお勧めする」とのことだった。
それ以下の判定でも合格出来ないことはないが、あるラインからガクッと合格率が下がる、そしてE判定はほぼほぼ壊滅。
そりゃそうだ。より判定が良い方が合格率が高いのは当たり前、そして合格してくれれば
『学校としても合格実績として計上できる』
というわけだよね。
『国公立進学』を謳っているコースなんだから、国公立に進学させてナンボなわけだ。そして彼らは『国公立進学』を希望して入学してきたわけだよ。
うーん。
国公立の二次試験1カ月前にして初めて名前を知った地方の大学。そこならなんとか通ります、と言われてもまず本人の意向と合致してない。基本引きこもり、自宅から通学できる範囲しかアホのくせに考慮になかったのだ。コレを機会に一人暮らしを!と前向きになれる性格でもない。
本人が希望していない大学に『受かる確率が高い』という理由だけで受験して、本人が希望していない一人暮らしをしろ、と?
ソレで彼は幸せになれると思うか?
推薦で合格したB大学だって本人はオープンキャンパスすら行っていないが、ホームページやパンフレットを確認し比較検討した。「他がダメならここへ行く」という気でいる。いいかげんに決めたわけじゃない。
受かる可能性が限りなくゼロに近くても第一志望受けたい、というのが本人の希望。母もそれを支持する。
受験のアレコレに疎い夫ですら
「?ひとつ私学受かってるから第一志望受けたらいいやん。なんでアカンの?」と言う。
親子の意見は一致し、第一志望を貫く事を決めた。
数日後、出願用の調査書を申請しに登校した。申請用紙に書かれた第一志望校を見た担任はひとこと彼に言ったそうだ。
「受からんぞ?!」
………。
はぁぁぁぁぁぁぁ?
仮にも教育者が、ほぼ無理だけど第一志望を貫きたいと言っている生徒にかける言葉なのか?自分の勧めた学校を受けない事がそんなに気に入らないのか?
確かにこれまでの懇談でのその教師の言動を思い返せばそりゃまあ手厳しいものばかりだった。国公立進学コースにあってなかなか本気で勉強する気を見せない、自習の会にもあまり参加しない彼に苛立つ気持ちは親にもあった。厳しく言われても仕方ないとその時は思っていたが、成績不良なのにコース変更するとも言わない彼の事は気に入らなかったのだろうな、と思う。だってこの子がいても『実績』には貢献出来なさそうだし。彼が担任をあまり快く思っていなかったのはつまりそういう事だと今になって理解した。
入学直後くらいの説明会で
「京大に何人合格させる、とかには拘っていない」それぞれの希望に沿った進路選択をさせる的な事を言っていた、と記憶している。
ウソやん。
彼の希望は『自宅から通学範囲内の●●専攻』なんだよね。そりゃ行けるなら国公立の方がいい。けど地方でもいいとは一言も言ってない。
これまでいい学校だと思っていた。高校を選ぶのに数校見学もしたし、この選択は間違っていないと思っていた。しかし子供が考え抜いた選択を応援できない、こんな学校に3年も学費を払っていたのか。情けない、と思うと同時にふつふつと怒りが沸き起こる。
珍しく温厚なお兄さんも怒りをあらわにしていた。こんな事は本当に珍しい。学校に抗議してやろうかと思ったがやめた。結局ダメだったら「ホレ見たことか!」と言われかねない。黙ってやる事といえばひとつ。
『勉強』
ただそんだけ。
やるぞー!
おー!
やるぞーーーー!!!
おーーーーーー!!!
担任への信頼も信用も完全に崩れ落ちた今、合言葉は
『奴を見返す!!💢』ただこれだけだ。
少しでも可能性が残っているのなら親としては全力で応援したい。
出来る事なら合格して「誰が受からんって言ったん?」って目の前で言ってやりたい。
ダメだったとしても頑張って最後まで戦い抜いてほしい。
ただ、そんだけ。
だってここで終わりじゃない。大学院でそっちを目指すという選択肢もあるんだから。
【後日】
隔週で一緒にお昼ご飯を食べる、子育て終了組のママさん方に上記の一連の事を洗いざらい喋っていた。
「それは第一志望受けるべき!」
「学校側がおかしい!」
全員意見が一致した。やっぱり親はそう思うよね。
#
by kamkim22
| 2020-02-15 14:22
| クラスでビリの高校生が大学受験する話?